決済代行の全東信の破産により、加盟店で決済端末が止まり、入金が届かないケースが報じられています。ここでは、いま何が起きているのかを事実ベースで整理し、資金繰りを守るために最初に取るべき対応と、使える選択肢をまとめます。
いま何が起きているのか
報道・公表資料によると、全東信は破産手続の開始が決定し、加盟店では決済端末が使用できない状態や、加盟店への入金(売上金)の未払いが生じているとされています。売上自体はあっても入金が止まると、家賃・仕入・給与などの支払いに間に合わず、いわゆる「黒字倒産」につながる恐れがあります。最新の状況は公式情報でご確認ください。
まず確認すべき5ステップ
- 1. 入金予定を一覧化:いつ・どこから入る予定だったかを書き出す。
- 2. 不足額(ショート額)を算出:直近の支払予定と突き合わせ、いくら足りないかを出す。
- 3. 当面の決済手段を確保:端末停止に備え、代替の決済を用意する。
- 4. 公的相談窓口を控える:自治体・商工会議所・政府系の相談先を確認。
- 5. 短期資金の選択肢を比較:手数料・入金スピードで無理のない方法を選ぶ。
つなぎ資金の選択肢
売掛金(未回収の請求)が手元にあるなら、ファクタリング(売掛金の売却による資金化)でつなぐ方法があります。借入ではなく売掛金の売却で、支払うのは金利ではなく手数料です。手数料や入金スピード、対象(法人/個人事業主)は各社で異なるため、複数を比較して選ぶのが安全です。
決済手段の乗り換えも並行して
再発に備え、決済代行の乗り換え・分散も検討しておくと安心です。入金サイクル・手数料・障害時のサポート体制を軸に比較できます。
費用をかけずに相談したいとき
公的な相談窓口や制度融資は、金利・保証面で有利になりうる選択肢です。申請から資金実行までは時間がかかる傾向があるため、目先の資金は民間手段でつなぎつつ、並行して進めるのが現実的です。
支払いの優先順位をどう決めるか
入金が止まって手元資金が足りないとき、すべてを同時に払おうとすると判断が止まります。優先順位をつけて、止めてよいものと止めてはいけないものを切り分けてください。一般的には、次の順で考えると事業を継続しやすくなります。
- 従業員の給与:遅延は離職に直結し、営業そのものが止まります。
- 仕入・外注費:止まると売上が作れなくなる取引先への支払い。
- 家賃・リース・水道光熱費:遅延の影響が大きく、交渉の余地も限られます。
- 税金・社会保険料:滞納は避けたいところですが、支払いが難しい場合は放置せず、税務署や年金事務所に事前相談すると猶予制度を案内される場合があります。
- 借入の返済:金融機関に事前相談することで、返済条件の見直し(リスケジュール)を検討できる場合があります。
どの支払いも、黙って遅れるのが最も状況を悪化させます。遅れそうだと分かった段階で先に連絡を入れると、分割や期日の変更に応じてもらえることがあります。対応可否は相手先の判断によります。
資金繰り表で「いつ足りないか」を可視化する
不安が大きくなるのは、足りない金額と時期がはっきりしないときです。紙一枚でよいので、次の形で書き出してみてください。
| 項目 | 今週 | 来週 | 再来週 |
|---|---|---|---|
| 期首残高(前週末の現金) | |||
| 入金予定(売掛金・現金売上) | |||
| 支払予定(給与・仕入・家賃など) | |||
| 期末残高 |
期末残高がマイナスになる週が、資金がショートするタイミングです。その週までに何日あるかで、取れる手段が決まります。数日しかないなら売掛金の早期資金化などスピード重視の手段、1か月以上あるなら公的支援や融資も選択肢に入ってきます。
このとき、全東信から回収できるはずだった売上金は、いったん「入らないもの」として計算しておくのが安全です。破産手続における配当の有無や時期は手続きの進行によって決まるため、入る前提で支出を続けると、資金繰りの見通しが崩れやすくなります。回収の見込みについては全東信で売上金が回収できない?破産債権と当面の資金繰りで整理しています。
不足額と期限が分かったら、あとは手段を当てはめるだけです。慌てて条件の悪い契約を結んでしまうのを防ぐためにも、まず数字を書き出すところから始めてください。
よくある質問
Q. 売上はあるのに入金だけ止まっています。まず何をすべき?
A. 入金予定と支払予定を突き合わせて不足額を把握し、不足があれば売掛金の資金化(ファクタリング)など短期の選択肢を比較検討します。
Q. ファクタリングは借金ですか?
A. いいえ。売掛金の売却であり借入ではありません。支払うのは金利ではなく手数料です。
Q. 個人事業主でも使えますか?
A. 個人事業主に対応するサービスもあります。対応可否・条件は各社の審査により異なります。
制度やサービスの条件は変更される場合があります。掲載は事実・中立を心がけていますが、申込・申請前に各公式情報もご確認ください。

