個人事業主がキャッシュレス決済を導入するとき、気になるのは「開業して間もなくても申し込めるのか」「初期費用と手数料はいくらか」の2点です。この記事では、費用の内訳、申し込みから利用開始までの流れ、比較するときに見る項目を整理します。
個人事業主でも決済代行は申し込める
法人でなければ契約できないという決まりはなく、主要な決済代行サービスは個人事業主の申し込みを受け付けています。ただし審査では、事業の実態が確認できるかどうかが見られます。開業届の控え、本人確認書類、屋号名義または個人名義の入金口座、店舗やサービスの内容が分かる資料(メニュー表、ウェブサイト、店舗や施術スペースの写真など)を求められるのが一般的です。
逆にいえば、これらがそろっていれば開業して間もない段階でも手続き自体は進められます。一方で、取り扱う商材やサービス内容によっては受け付けられないカテゴリがあり、申し込み前に各社の加盟店規約を読んでおくと手戻りが減ります。審査の結果は各社の基準によるため、通過を前提にスケジュールを組まないほうが安全です。
個人事業主が見るべき費用は4種類
1. 初期費用(端末・カードリーダー)
決済端末やカードリーダーの代金です。据置型の専用端末を導入する方式では数万円かかることがある一方、手持ちのスマートフォンやタブレットに小型のカードリーダーをつなぐ方式では、リーダー代が0円になっているサービスもあります。ただし「0円」の条件がキャンペーン適用時や特定業種限定になっている場合があるため、金額そのものより条件を確認しておきたいところです。
2. 月額固定費
売上の有無にかかわらず毎月かかる費用です。月の売上が読みにくい立ち上げ期の個人事業主にとっては、ここが0円かどうかが資金繰りに効いてきます。端末レンタル料やPOSアプリの利用料が別立てになっていることもあるので、合計額で比べます。
3. 決済手数料
売上金額に対してかかる料率です。同じサービスでも、クレジットカード・交通系電子マネー・QRコード決済で料率が異なることが多く、自分の店でどの決済比率が高いかによって実質的な負担は変わります。カードが中心の店とQRコードが中心の店では、有利なサービスが入れ替わることもあります。
4. 振込手数料と入金サイクル
売上が手元に入るまでの日数と回数です。入金が月1回か月6回かで、仕入れや家賃の支払いに充てられるタイミングが変わります。振込先の金融機関によって回数や可否が変わるサービスもあるため、いま使っている口座で条件を確認しておきます。
主なサービスの料金(2026年9月時点)
| サービス | 初期費用・固定費 | 決済手数料 | 入金 |
|---|---|---|---|
| Square | 月額固定費なし。振込手数料・登録手数料・PCI DSS対応費などはかからないと公式に記載 | 対面2.5%〜(年間キャッシュレス決済額3,000万円未満で主要カードブランドの対面決済の場合。それ以外は3.25%〜またはカスタム手数料)/オンライン3.6%/カード情報の手入力など非対面3.75%/請求書3.25% | 決済手数料以外の費用はかからないと公式に記載 |
| Airペイ | カードリーダー0円・使用料0円・月額固定費0円(別途iPadまたはiPhoneが必要。カードリーダーは無償貸与) | クレジットカード・電子マネー3.24%(楽天Edyのみ課税対象で税込3.24%・税抜2.95%)/交通系電子マネー2.95%(税込3.24%)/QRコードはCOIN+が0.99%(税込1.08%)、その他のQRコードが2.95%(税込3.24%) | 振込手数料は全銀行0円(ゆうちょ銀行は対象外)。入金は最大月6回(みずほ・三菱UFJ・三井住友の口座は月6回、その他の金融機関は月3回) |
※記載の料金・条件は2026年9月時点で各社公式サイトに掲載されていた内容です。プラン・対象ブランド・キャンペーンの適用有無によって実際に適用される料率は異なります。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。
※上記は広告です。掲載内容・条件は変更される場合があります。申し込み前に公式サイトの最新情報をご確認ください。
申し込みから利用開始までの流れ
- 必要書類をそろえる(開業届の控え、本人確認書類、入金口座、事業内容が分かる資料)
- オンラインで申し込む(入力と書類アップロードで完了する方式が主流)
- 審査(カードブランドごとに審査が走るため、結果が出る順番がずれることがあります)
- 端末・アプリの設定(カードリーダーの接続や初期アップデート)
- 少額でテスト決済をして運用を開始
審査にかかる日数は各社・各ブランドで異なります。たとえばAirペイは公式サイトで、申し込みの入力が通常10分〜20分、審査は通常3日程度(Airペイ タッチは最短15分)と案内されています(2026年9月時点)。申し込むブランドを増やすほど、すべてのブランドが使えるようになるまでの期間は延びる傾向があるため、開店日が決まっている場合は逆算して早めに動くのが無難です。
比較するときの4つの視点
- 自店の決済比率:カード・交通系・QRコードのどれが多いかで、有利な料率のサービスが変わります。
- 入金サイクル:回数と、自分の口座が対象かどうかをセットで確認します。
- 解約時の条件:契約期間の縛り、違約金、端末の返却義務の有無を契約前に見ておきます。
- サポート:ひとりで店を回す個人事業主の場合、電話やチャットで相談できる窓口があるかは実務上の差になります。
※上記は広告です。掲載内容・条件は変更される場合があります。申し込み前に公式サイトの最新情報をご確認ください。
よくある質問
Q. 開業したばかりでも申し込めますか。
A. 申し込み自体は可能です。ただし事業の実態を示す資料が求められます。開業届の控えや事業内容が分かる資料をそろえてから進めると、やり取りが少なく済みます。審査基準は各社で異なります。
Q. 決済手数料は経費として処理できますか。
A. 支払手数料などの勘定科目で必要経費として処理されるのが一般的です。ただし消費税の扱いを含め、個別の処理は税理士や所轄の税務署にご確認ください。
Q. 複数の決済代行を併用してもよいですか。
A. 併用そのものを禁じる決まりはありません。ただし端末や入金口座が増えると、売上の突き合わせと経理の手間が増えます。まず1社で運用し、対応できない決済手段が出てきた時点で追加するほうが管理しやすくなります。
まとめ
個人事業主の決済代行選びは、料率の数字だけを並べても答えは出ません。初期費用・月額固定費・決済手数料・入金サイクルの4点を、自分の店の決済比率と資金繰りに当てはめて比べるのが近道です。条件は各社で異なり変更もあるため、最終的な判断の前に公式サイトの最新情報をご確認ください。
本記事は各社公式サイトに掲載されていた内容と一般的な実務の流れを整理したものです。参考:Square「Squareの料金体系」(2026年9月29日確認)、Airペイ「費用・料金・手数料・端末」(2026年9月29日確認)。料金・条件は変更される場合があるため、申し込みの前に各公式サイトでご確認ください。運営方針は運営者情報、記載内容の取り扱いは免責事項をご覧ください。

