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ABL(売掛債権担保融資)とは|仕組みと保証制度の要点

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ABL(売掛債権担保融資)とは|仕組みと保証制度の要点

不動産を持っていないと融資は難しい、と考えていませんか。ABL(売掛債権担保融資)は、取引先への売掛債権や在庫といった流動資産を担保にして金融機関から借り入れる方法です。この記事では担保になる資産の範囲、信用保証協会のABL保証の条件、ファクタリングとの違い、利用中に発生する報告義務までを整理します。

目次

ABL(売掛債権担保融資)とは

ABLは Asset Based Lending の略で、日本では「売掛債権担保融資」「流動資産担保融資」と呼ばれます。取引先に対して保有している売掛債権や、在庫・電子記録債権などの棚卸資産を担保として、金融機関が融資を行う仕組みです。担保にするのは不動産ではなく、事業のなかで日々動いている資産です。

ここで押さえておきたいのは、ABLが借入だという点です。売掛債権を売却するのではなく、担保に差し出して融資を受けます。したがって返済義務があり、利息が発生し、貸借対照表には負債として計上されます。利率は金融機関所定の利率となります。

売掛債権や在庫は動きがあるため、担保としての保全手続も専用のものが用意されています。神奈川県信用保証協会の案内では、売掛債権や棚卸資産の譲渡を受けるにあたり、民法あるいは動産債権譲渡特例法が定める担保の保全手続が必要とされています。

担保になる資産とならない資産

担保として認められる売掛債権は、物品の提供およびサービスの提供により発生する売掛債権です。具体的には売掛金債権、割賦販売代金債権、運送料債権、診療報酬債権、その他の報酬債権、工事請負代金債権が挙げられています。運送業や建設業、クリニックのように入金サイトが長い業種と相性がよい制度です。

棚卸資産については、事業により生じ決算書に計上される(計上予定を含む)ものが対象です。商品仕入れによる在庫商品、製造業の製品在庫、仕掛品、半製品、原材料、貯蔵品などが例示されています。

一方で、担保にならないケースも明記されています。債権譲渡禁止特約のある売掛債権は、特約解除ができる場合、または民法468条の異議なき承諾が得られる場合を除き担保となりません。また動産担保登記ができない棚卸資産も担保の対象外です。自社の取引契約に譲渡禁止特約が入っていないかは、検討の初期段階で確認しておきたいポイントです。

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流動資産担保融資保証(ABL保証)の条件

ABLを使いやすくしているのが、信用保証協会の「流動資産担保融資保証(ABL保証)」です。中小企業が売掛債権や棚卸資産を担保に金融機関から融資を受ける際、その債務を信用保証協会が保証する制度です。神奈川県信用保証協会が公表している条件は次のとおりです。

項目内容
保証限度額2億円
責任共有融資金額の80%(融資限度額は2億5,000万円)
信用保証料率0.68%
資金使途運転資金・設備資金
保証期間根保証:1年/個別保証:1年以内
返済方法根保証:随時返済または約定返済/個別保証:一括返済
保証人不要
担保根保証:売掛債権および棚卸資産のみ/個別保証:売掛債権のみ(いずれも不動産担保は不要)

※上記は神奈川県信用保証協会が公表しているABL保証の条件で、2026年9月時点に同協会の公式サイトに掲載されていた内容です。融資利率は金融機関所定の利率となります。ABL保証は各都道府県の信用保証協会が取り扱っており、細部の運用は協会ごとに異なる場合があります。最新の内容と自分の地域の条件は、所在地の信用保証協会および取引金融機関でご確認ください。

利用できるのは、国内の事業者(官公庁を含む)に対する売掛債権または棚卸資産を有する方です。棚卸資産を担保とする場合は法人に限るとされています。根保証と個別保証で担保の範囲と返済方法が変わるため、どちらの形で組むかは金融機関との相談事項になります。

ファクタリングとの違い

売掛債権を使う資金調達という点でファクタリングと混同されやすいのですが、性質はまったく違います。ファクタリングは売掛金を売却して手数料を差し引いた金額を受け取る取引で、返済も金利もありません。ABLは売掛債権を担保に差し出して借り入れる取引で、返済と利息が発生します。

費用の見え方も異なります。ABLではABL保証を使う場合の信用保証料率0.68%に加えて金融機関所定の融資利率がかかり、費用は期間に応じて積み上がります。ファクタリングは1回の取引ごとに手数料が確定する形です。どちらが有利かは金額・期間・入金までの必要日数で変わるため、同じ条件で並べて比較するのが現実的です。

審査で見られる先も違います。ファクタリングでは売掛先の信用力が重視されますが、ABLは融資である以上、自社の事業の状況もあわせて見られます。ファクタリングとの詳しい比較は、あわせて読みたいの関連記事で整理しています。

利用時に押さえておきたい注意点

ABL保証には、契約後に続く義務があります。利用企業は3か月に1回以上、担保としている売掛債権残高や棚卸資産の種類・数量などを金融機関に報告する必要があるとされています。売掛や在庫の管理が数字で追えていないと、この報告自体が負担になります。

また、ABL保証の利用は1中小企業者につき1信用保証協会限りとされています。複数の協会で重ねて使うことはできない前提です。

担保が売掛債権と在庫であるという性質上、売上が落ちて売掛や在庫が減れば、担保価値も連動して下がります。売上が落ちた局面で借入枠が縮む向きに働くため、資金繰りが厳しくなってから頼る調達手段としては読みにくい面があります。資金繰り表で3か月先まで見通したうえで、余裕のある時期に枠を用意しておく使い方のほうが扱いやすい制度です。

担保を活かした借入という点では、不動産担保を扱う貸金業者のビジネスローンも比較対象になります。条件は各社で異なるため、金利と期間を並べて確認してください。

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※上記は広告リンクです。金利・限度額・審査の条件は各社公式サイトに掲載されている内容が最新です。記載の条件は2026年9月時点の確認にもとづきます。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. ABLは不動産がなくても使えますか。
A. ABL保証では、根保証・個別保証のいずれの場合も不動産担保は不要とされています。担保になるのは売掛債権および棚卸資産です。ただし審査はあるため、担保があれば借りられるとは限りません。

Q. 在庫だけを担保にできますか。
A. 根保証では売掛債権および棚卸資産が担保となり、いずれか一方のみを担保とすることも可能とされています。ただし棚卸資産を担保とする場合は法人に限るとされ、動産担保登記ができない棚卸資産は担保になりません。個別保証の担保は売掛債権のみです。

Q. 取引先に知られずに使えますか。
A. 売掛債権を担保にするには、民法または動産債権譲渡特例法が定める担保の保全手続が必要です。また債権譲渡禁止特約がある売掛債権は、特約解除または民法468条の異議なき承諾がない限り担保になりません。取引先との関係に触れる場面があるため、進め方は金融機関と事前に相談してください。

Q. 保証料と利息は別にかかりますか。
A. ABL保証を利用する場合、信用保証料率は0.68%とされ、融資利率は金融機関所定の利率です。保証料と利息は別に発生する前提で試算してください。

まとめ

ABL(売掛債権担保融資)は、売掛債権や在庫を担保に借り入れる方法で、不動産を持っていない事業者でも使える調達手段です。信用保証協会のABL保証を組み合わせると、保証限度額2億円・信用保証料率0.68%・保証人不要という条件で利用できます。一方で3か月ごとの報告義務があり、担保価値が売上に連動するという性質もあります。ファクタリングのような売却とは別物なので、借入としての返済計画を立てたうえで検討してください。

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本記事は制度の概要を整理したものです。ABL保証の取扱いは各都道府県の信用保証協会ごとに運用が異なる場合があり、条件は改定されることがあります。参考:神奈川県信用保証協会「ABL保証」(2026年9月30日確認)。実際の利用にあたっては、所在地の信用保証協会および取引金融機関でご確認ください。運営者情報はこちら、免責事項はこちらをご覧ください。

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この記事を書いた人

新潟を拠点に、中小企業・個人事業主向けのWebメディア運営とマーケティング支援を行っています。資金繰り・資金調達に悩む事業者へ、ファクタリング・融資・公的支援などの選択肢を、各社の公式条件や一次情報をもとに中立・事実ベースで解説します。景表法・貸金業法などのルールを踏まえ、読者が自分で判断できる情報提供を心がけています。

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